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海王星の闇--孤独、幻想、中毒

現在、木星は蠍座を逆行中です。

 

蠍座は深層意識、死、タブー、オカルト的側面など普段は表に出ない隠された部分に繋がっており、そこに海王星を持つ蠍座海王星世代(約49歳~62歳)は深い直感力も備わっていると言われています。

 

 

そして他の個人惑星との関わり(角度)によりますが、境界線を取り払う海王星の作用によって幻想的な世界と行き来することがあります。

これが依存性、中毒性に繋がる可能性もあります。これも海王星の作用です。

 

 

海王星は『孤独』の象徴。

 

海王星の影響する領域(ハウス)で、強烈な孤独を経験することになります。

すると心理的保護作用により、幻想的効果を生み出し、苦痛であれ理想的ストーリーであれ、孤独の辛さを免れようとするようです。

そして中毒のような状態になります。辛いけれども、そこでその状況に麻痺し、酔うのです。

 

いつ、どの領域でこの海王星の幻想的要素が始動したかはハウスに表れます。

例えば私の場合は4室。理想としては、心の根を下ろせる「安全」を与えてくれる場所で、「家族、家庭」がその象徴です。

ですがここに海王星があると幼少の頃から生まれ育った環境の中でどうしようもない孤独を感じ、この世を理解しようとしながら何らかのストーリーがここで生み出し、そうして生き延びようとすることになります。

 

 

生存本能から「幻想でできた擬似的な安定の土壌」を作り、そこに心の根を下ろすわけです。

さて、どのような花が咲くのでしょうか?

そもそも、花は育つのでしょうか…?

 

 

これはほんの一例です。

海王星が1室であれば自己イメージ

2室であれば自己価値

3室であれば思考とコミュニケーション…という風に、ハウスによって海王星の表れ方は変わってきます。

 

 

いま木星が逆行しながらこの蠍座の域を横断しています。この蠍座海王星世代(いま49歳〜62歳の人)にとってはチャレンジとなるかもしれません。

その人がサバイバルのために基盤としてきた幻想に、木星のフォーカスが向けられるからです。

 

幻想が強化される可能性も、崩壊する可能性も、両方あります。

幻想が剥がれること、ストーリーに気づくことを目覚めと呼んだりします。

幻想が剥がれなければ、本当の土壌を築いてゆくことはできません。足元にあったのは確かに偽物だったのかもしれませんが、その土壌で生きたからこそ自分というものを知り、生きのびたともいえます。

 

 

「準備が整っていれば、柿が熟してポトリと落ちるように手放しは起きる。」

 

これは私の尊敬するアレクサンダー・テクニークの先生に教わったことです。

とても言い得ていると思います。

 

心理的エネルギーが手放されるとき――真空のような音のないスペースの中で、それは微細で美しい重力が働きます。

 

 

とはいえ保護装置が外れるわけで、しばらくはあまり心地良い感覚ではないかもしれません。場合によっては心の基盤的な部分が崩壊し、唖然とする時期が続くかも。

 

または一瞬にして社会通念を手放す機会ともなるかもしれません。

 

もし幻想で自分を支え、何らかの中毒や依存が続行しているとすれば-- それは『孤独』、繋がりのない状態が辛かったからです。

これはどうやら理屈ではなく、幻想だと気づいた時点で何かが起きるようです。深く得体の知れない闇のような部分から浮上してゆくのかもしれません。

 

 

ただ、周囲のサポートも必要だとわたしは思っています。

 

もしこの時期に、孤独からの辛い幻想に辛い思いをされている人がいらしたら…、

もしくは幻想が剥がれ落ちて拠り所のない状態に不安を感じておられる方がいらしたら…、

どうか、どうか、

『わたしは孤独を感じている』と言える相手が傍にいらっしゃいますように。

 

 

わたしには、そう言える相手がいてくれました。

繋がりというものを心の奥から欲していたわたしは、救われました。

 

 

そして、わたしも人の孤独に耳を傾ける人間でありたい。

わたしは魚座で、海王星との繋がりが深いからかもしれません。

 

 

わたしはここにいます。